骨なしチキン野郎って【中学生日記②】
「草食系なんだな……」

 オレは、ある自己分析をしていた。そして、決意する。

「ん…もっとグイグイっとさ。肉食系男子にならねば。ねばねば…… 」

 このまま、ちゃんとした彼女も出来ずに中学生活を終えてしまうことだけは、絶対に避けたい。
 それならば、肉。そう肉、肉だ。肉を食わねば…… 

 近所のコンビニの、レジ横に置かれているチキンの塊肉。それを原始人のようにカブりつく。そんな姿が、オレの頭の中には浮かんでいた。
 そんな発想しか出て来ない。学校でも授業中に眠くなると、コーヒー牛乳を飲むだけで目がシャキッとする。オレは、そんなタイプの人間だった。

 そんなオレは今、マジで恋をしている。
< 1 / 5 >

この作品をシェア

pagetop