ラブ♡ディスタンス【完】
8.すれ違い
8、




今日はラストまでバイト。


部屋にひとりでいるよりも


バイトしていたほうがずっといい。



バイトしていたほうが


気が紛れる。





どうしても志樹君のことを考えちゃうから。




考えたって

答えなんて出ないのに...




「おつかれ~
 いやぁ、今日はつかれたね」



『ほんと!もう、お腹すいた~』


バイト終わり、みんなで雑談。



閉店作業を終え、着替えも済んだ。



『ぐっちぃ、聞いてよぉ』



あ、ぐっちぃ、とは山口 広貞(ヤマグチ ヒロサダ)君。
26歳フリーター。
生粋のアニヲタ。
推しの声優さんは 
ユキぴょん、という方らしい。



『でさぁ、結局缶バッチ付きの
 お菓子が買えなくて
 妹にめっちゃ怒られたのっ』



「あー。それなら、
 駅の向こう側にあるアニメホリック、
 というお店で買えますよ」



『そうなの? 今も売ってる?!』



「と、思います」



『ほんとに? 行こうかな...
 でも行きにくいなぁ』



「じゃあ、みんなで行く?」


と、リーさん。
リーさんは、中国の人。
25歳の女性。
日本語ペラペラで、中国の人も
お店に買いに来るから、
そんなときはとても
頼りになる。



「ワタシもアニメホリック行きたい!
 グッズたくさん買いたい!」


ってことで。

バイト終わり、
私とぐっちぃとリーさんの3人で
アニメショップへ行くことになった。
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