ラブ♡ディスタンス【完】
せっかく無の境地になっていたのに

マイカちゃんのワンピースが頭をよぎる。




目の前に、

今、私の目の前に志樹君がいるのに。




私をしっかり抱きしめてくれているのに。




マイカちゃんのサンダルの音が頭に響いて

志樹君が、よく、見えないよ...






『ごめんっ』




パッと腕の中から離れる。




「またなんか、ひとりで考えてる」



『え?』



「なんか今日はおかしいよ。
 ひとりで何考え込んでるの?」



『なんでもないよ』




「なんでもない、なんて
 信じると思う?」




『・・・・・・』




「俺んち行こう。
 話聞くから。
 凪先輩の話、聞かせて」



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