予想外の怪談話。
終わり
「あ…あ……」
殺される。
死にたくない。
死にたくない。
死にたくない。
麗夜の亡霊が近くの包丁を浮かせる。
それを見た何人かが気を失った。
花音もその1人だった。
「い…や……」
その時にちょうど、花音が目に入った。
私は包丁の方へ花音を突き飛ばす。
花音の心臓に包丁が刺さって、赤い血が流れる。
…新鮮な血の匂いがした。
麗夜が花音の身体から包丁を抜いている間に、電話をした。
警察にだ。
「大変です! 親友が殺されてしまったんです! 周りの人達も…うっ、うっ…私…どうすれば…」
〈場所は!? 場所はどこですか!?〉
「それは…きゃっ!?」
誰かにスマホを取られたフリをして、ブチッと電話を切る。
「…さーてと」
私はしっかりと麗夜を見据えた。
「私は今、殺しを仕事にしてるの。私と来ない? ここにいる人達全員を殺して。証言されちゃ困るから。警察はお化けが人を殺したなんて考えないだろうしね」
麗夜は私をまっすぐに見つめた。