予想外の怪談話。
トントン、と肩を叩かれるような感触があった。

振り返るけど、誰もいない。

——花音じゃない…?

だって彼女の位置から私までは届かない。

気のせい、かな…?

そう思って視線を前に戻すけど、今度はさっきよりも少し強く叩かれた。

また、誰もいない。

身震いがした。

喉が一瞬にしてかわく。
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