仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
「な、なにしてるの……!?」

「友達になったらおもしろいかと思って」

 慌てて取り上げたけれど、もうメールは送信されたあとだった。

「あのね……変な人だと思われたらどうするの」

「変な人だから大丈夫よ。それに、どうせ返事なんか来ないわよ。あんただっていきなりダイレクトメールが届いたら無視するでしょ?」

「それは……うーん……そうかもしれないけど」

「万が一返事があったとして、本当に趣味友になればいいじゃない? いい気分転換になるかもよ?」

「他人事だと思って」

 スマホをバッグにしまい、椅子の背もたれに体重を預ける。

「旦那さんには言えないことも、その人になら言えるかも」

「真里に言ってるからもういいよ」

「私以外の意見も聞いてみたら? サキちゃんならきっと力になってくれるって」
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