仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
視覚的な情報が一気に流れ込んできたからか、昨夜うっすらと割れた腹筋を触らせてもらったことや、普段感じていた印象よりずっと分厚い胸板にすがったことを思い出してしまう。
ついでに、頭の中まで溶かすような甘い声で名前を呼んでくれたことも、息ができなくなるくらいキスをしてくれたことも、シーツの海に溺れるほど愛されたことも――。
「シャツを着ない人に食べさせるご飯はないです!」
言い切って顔を背ける。
これ以上見ていると目が離せなくなって、オムレツの代わりに焦げた物体を食べさせる羽目になるだろう。
「着替えてきたら食べさせてもらえるんだな」
「それなら……うん」
「紗枝さんのことは? 食べてもいい?」
「なに言ってるの!」
飛び上がった私を、和孝さんはおもしろい生き物を見るような目で見る。
ついでに、頭の中まで溶かすような甘い声で名前を呼んでくれたことも、息ができなくなるくらいキスをしてくれたことも、シーツの海に溺れるほど愛されたことも――。
「シャツを着ない人に食べさせるご飯はないです!」
言い切って顔を背ける。
これ以上見ていると目が離せなくなって、オムレツの代わりに焦げた物体を食べさせる羽目になるだろう。
「着替えてきたら食べさせてもらえるんだな」
「それなら……うん」
「紗枝さんのことは? 食べてもいい?」
「なに言ってるの!」
飛び上がった私を、和孝さんはおもしろい生き物を見るような目で見る。