仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
森戸(もりと)さん夫婦は、三十半ばの明るいご夫婦だった。きっと笑顔の絶えない家庭になるのだろうと、応対しているうちに何度考えたかわからない。結婚式の参列者にどんな引き出物を用意するかを考えるために、ふたりしてうんうん言いながら頭を抱えている姿は、一緒にこれからの人生を歩んでいく夫婦というものを感じさせた。
穏やかというわけでも、気が強いというご夫婦でもなかった。こういう言い方はよくないのかもしれないけれど、ごく普通の夫婦というのが一番しっくりくる。
そのふたりが先日無事に結婚式を済ませ、落ち着いた今になって私へと香水の贈り物をしてきたというわけだった。
「たぶん、打ち合わせのときに香水の話をしたからじゃないかな?」
穏やかというわけでも、気が強いというご夫婦でもなかった。こういう言い方はよくないのかもしれないけれど、ごく普通の夫婦というのが一番しっくりくる。
そのふたりが先日無事に結婚式を済ませ、落ち着いた今になって私へと香水の贈り物をしてきたというわけだった。
「たぶん、打ち合わせのときに香水の話をしたからじゃないかな?」