仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
 やがて舌同士絡んでいたのが変わり、口蓋や頬の内側を丁寧に舐められる。犬や猫に手を舐められた経験はあっても、口の中を舐められる経験はない。私にこんなことをするのが和孝さんだけだと思うと、またどうしようもなく身体が火照った。

「んぅ」

 だんだんおかしな気持ちになって、思わず変な声が出てしまう。

 ただキスをしているだけなのに、身体の奥がじんじんと疼いていた。唇だけでは物足りず、和孝さんの大きな手で直接肌に触れてほしいという欲求が芽生える。

 だからか、気付けば和孝さんの膝の上で何度も身じろぎしていた。抱き締めながら腰を寄せて、言葉を発せられない分仕草で触れてほしいと伝える。

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