仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
イタリアへ行こうと決めたとき、私たちはそれぞれ気になるホテルを選び出すことにした。値段は気にしなくてもいいと言った和孝さんの気遣いを尊重し、私だけの旅行では絶対に選ばなかったであろうホテルをひとつだけ選んだけれど、それがこのホテルだった。驚いたことに和孝さんもこのホテルを自分の選択肢の中に入れており、それならばと満場一致で決まったというわけである。
ふたりで七日間寝泊まりする部屋は広い角部屋だった。窓から外を見ると、近くの教会の屋根が見える。反対側の窓から身を乗り出せば、石畳の道に囲まれた広場が目に入った。
「ローマは景観を損ねないようにって、あれこれ決まりがあるらしいね」
道を行く人々を目で追いながら言うと、和孝さんも一緒になって窓を覗き込んできた。
ふたりで七日間寝泊まりする部屋は広い角部屋だった。窓から外を見ると、近くの教会の屋根が見える。反対側の窓から身を乗り出せば、石畳の道に囲まれた広場が目に入った。
「ローマは景観を損ねないようにって、あれこれ決まりがあるらしいね」
道を行く人々を目で追いながら言うと、和孝さんも一緒になって窓を覗き込んできた。