仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
「あくまで理想ですよ。予算度外視の、好きなものだけ詰め込んだ式です」
「好きなものが、アンティーク?」
「はい」
歴史を感じさせる格調高い雰囲気。古臭いとも言われがちな落ち着いた色合い。なかなかお値段が張ることもあって、本格的なものには手を出せない。あくまで雰囲気が近いものを購入することはあるけれど、それでも常に財布との相談が必要だった。
だからこそ、ときどきカタログを見ては自分の理想のなにかを考える。
ずいぶん前からあれこれと考えているのは結婚式だった。
「別に本気でやるつもりはないんです。想像するのが楽しいというか」
「そうなの? もったいない」
「考えているだけでストレス発散になるんです。悩んでることも忘れられますし」
「そんなに好きなんだ?」
「好きなものが、アンティーク?」
「はい」
歴史を感じさせる格調高い雰囲気。古臭いとも言われがちな落ち着いた色合い。なかなかお値段が張ることもあって、本格的なものには手を出せない。あくまで雰囲気が近いものを購入することはあるけれど、それでも常に財布との相談が必要だった。
だからこそ、ときどきカタログを見ては自分の理想のなにかを考える。
ずいぶん前からあれこれと考えているのは結婚式だった。
「別に本気でやるつもりはないんです。想像するのが楽しいというか」
「そうなの? もったいない」
「考えているだけでストレス発散になるんです。悩んでることも忘れられますし」
「そんなに好きなんだ?」