仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
幼い頃から自分の意見を言うのが苦手だった田中さんの奥様は、この結婚式で初めて自分のしたいことを見つけられたらしい。大好きな人との結婚式という以上の大切な思い出になった、本当にありがとう――。そう締めくくられた文字は、ぼやけてよく見えなかった。
「わーん、今回も成功してよかったぁ」
「はいはい、よく頑張りましたねー」
きっと赤くなっている目元を隠そうと大げさに泣き真似をしてみる。そんな私の背中を、美香が笑いながら撫でてくれた。
「そこまでお仕事ライクでいられるの、羨ましいよ。私も顧客のことは考えてるつもりだけど、式がひとつ終わったら『あー、よかったー』って安心しかしないもん。もっちーはいつも親族以上に泣いちゃうじゃん?」
「わーん、今回も成功してよかったぁ」
「はいはい、よく頑張りましたねー」
きっと赤くなっている目元を隠そうと大げさに泣き真似をしてみる。そんな私の背中を、美香が笑いながら撫でてくれた。
「そこまでお仕事ライクでいられるの、羨ましいよ。私も顧客のことは考えてるつもりだけど、式がひとつ終わったら『あー、よかったー』って安心しかしないもん。もっちーはいつも親族以上に泣いちゃうじゃん?」