アイイロの雨【中学生日記④】
ぽつんとひとり、奈緒は待っていた。
誰も居ない放課後の教室。
随分と、待ち続けた。
だが今日はもう、あいつは来ないだろう。
クラスメイトに託した伝言は、どうやら彼氏の耳に届いていなかったようだ。
とうに授業も終わり、部活も無いこんな雨の日。学校に残っている生徒など誰も居ない。
しんと静まり返った教室が、こんなに寂しいものだとは思っても見なかった。
そう、それは先週末の体育祭での出来事だった。
奈緒は「借物競走」で、偶然彼と手を繋いだのである。
それ以来、「好き」という彼への感情が抑えきれなくなっていた。
「アイツもたぶん、奈緒に好意を持っていると思うよ」
そう言う親友の言葉に背中を押された。それなら気持ちが熱いうちに告ってしまおう、そう決心した矢先だった。
それなのに、おもいっきり出鼻を挫かれてしまった。
誰も居ない放課後の教室。
随分と、待ち続けた。
だが今日はもう、あいつは来ないだろう。
クラスメイトに託した伝言は、どうやら彼氏の耳に届いていなかったようだ。
とうに授業も終わり、部活も無いこんな雨の日。学校に残っている生徒など誰も居ない。
しんと静まり返った教室が、こんなに寂しいものだとは思っても見なかった。
そう、それは先週末の体育祭での出来事だった。
奈緒は「借物競走」で、偶然彼と手を繋いだのである。
それ以来、「好き」という彼への感情が抑えきれなくなっていた。
「アイツもたぶん、奈緒に好意を持っていると思うよ」
そう言う親友の言葉に背中を押された。それなら気持ちが熱いうちに告ってしまおう、そう決心した矢先だった。
それなのに、おもいっきり出鼻を挫かれてしまった。