アイイロの雨【中学生日記④】
教室を出て、薄暗い廊下を通り、昇降口へと向かう。
今年買い替えたばかりの長靴に履き替え、奈緒は学校を後にした。
新しい長靴は、明るい藍色をしている。
「あ、なんかモギたてのナスみたい」
キュッキュッと音を立てるように、雨粒をはじき跳ばしているのが愉快だった。
雨は嫌いではない。明るいパステル調の傘をさしている今は、むしろ心が踊った。
ただひとつ、贅沢を言わせてもらえるなら……
「アイツと相合い傘で帰りたかったな」
本当のことを言うと、ね……
でも、今はもう吹っ切れたから、こうして独りで歩いていても心は軽い。
「明日また頑張ればいいや」
いい感じに肩の力が抜け、寂しい気持ちを吹っ切ることが出来た。
気が付くと、自然に何かの歌を口ずさむ自分がいた。
「歌ってもらえるあてが無いなら、自分で歌えばいい。どんなに強い雨の中でも、自分の声は聴こえるからね」
そんな歌詞だった。
今年買い替えたばかりの長靴に履き替え、奈緒は学校を後にした。
新しい長靴は、明るい藍色をしている。
「あ、なんかモギたてのナスみたい」
キュッキュッと音を立てるように、雨粒をはじき跳ばしているのが愉快だった。
雨は嫌いではない。明るいパステル調の傘をさしている今は、むしろ心が踊った。
ただひとつ、贅沢を言わせてもらえるなら……
「アイツと相合い傘で帰りたかったな」
本当のことを言うと、ね……
でも、今はもう吹っ切れたから、こうして独りで歩いていても心は軽い。
「明日また頑張ればいいや」
いい感じに肩の力が抜け、寂しい気持ちを吹っ切ることが出来た。
気が付くと、自然に何かの歌を口ずさむ自分がいた。
「歌ってもらえるあてが無いなら、自分で歌えばいい。どんなに強い雨の中でも、自分の声は聴こえるからね」
そんな歌詞だった。