シンクロニシティ【中学生日記】
工具が無い中、素手ではネジひとつ弛めるのもシンドイ。テツローの額には、汗が浮き出ていた。
ポタリ。
その額から、一滴の汗が地面に落ちる。白っ茶けた地面に黒い水玉がひとつ現れた。
渇ききった大地が、そのわずかな水分を奪い合う。みるみるうちに吸い込まれ、薄まりゆく黒。
まくり上げた袖。陽に焼けた腕に力がこもる。グイッ、グイッっと腕を動かすたびに、筋肉が膨らんだ。
「おぉ… ネジ、弛んだょ」
汗にまみれた笑顔が振り向いた。奈緒にその喜びを伝えている。
「……あぁ、やっぱり。パンクの原因、これ」
破れたゴム管を被った、小さな部品。それがテツローの指先に摘まれていた。
「ありがとう、自転車屋さんみたい。スゴい!」
その作業内容よりも、テツローの汗と筋肉に、奈緒は感動していた。
ポタリ。
その額から、一滴の汗が地面に落ちる。白っ茶けた地面に黒い水玉がひとつ現れた。
渇ききった大地が、そのわずかな水分を奪い合う。みるみるうちに吸い込まれ、薄まりゆく黒。
まくり上げた袖。陽に焼けた腕に力がこもる。グイッ、グイッっと腕を動かすたびに、筋肉が膨らんだ。
「おぉ… ネジ、弛んだょ」
汗にまみれた笑顔が振り向いた。奈緒にその喜びを伝えている。
「……あぁ、やっぱり。パンクの原因、これ」
破れたゴム管を被った、小さな部品。それがテツローの指先に摘まれていた。
「ありがとう、自転車屋さんみたい。スゴい!」
その作業内容よりも、テツローの汗と筋肉に、奈緒は感動していた。