好きじゃない
そのあと適当に話してるうちに駅までついた。

「そうだそうだ、忘れてた」

私はやっと思い出してサブバッグからブラックジャックを取り出す。

それを見て、麻木蓮が急に目を輝かせる。

「おー、これこれ」

すごく嬉しそうだ。

「1週間以内に返却ね」
「来週また当番の時に返せばいいだろ」
「だね」

来週もまた当番だ。

私と麻木蓮は反対方向。

ホームに降りる階段のところで別れる。

「じゃねー」

手を振って階段をそれぞれ降りる。

ホームに着くと、向こう側に蓮の姿が見えた。
スマホをいじってる。

先に向こうに電車が来る。

ホームに入り込んで来た時に、サラッと蓮がこっちを見て長い手を振ってきた。
私も小さく振り返す。

そして分かれた。
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