好きじゃない
学校近くの交差点で自転車から降りる。
蓮も押して歩く。
「そういえば龍樹分かる?」
蓮が突然話題を変えた。
「あのでっかくてうるさい奴?」
私がそう言うと、「その言い方」と怒りながらも笑う。
龍樹くんはよく蓮の隣にいて、身長高くて入学当初から蓮と一緒に目立ってた人だ。
話し声も大きい。
「そいつがさ、奈穂ちゃんの連絡先知りたいんだって」
「え!」
確かに、奈穂も身長高いし大人っぽいしお似合いだ。
奈穂の口から龍樹くんの名前は出たことないけど。
「俺が今日奈穂ちゃんに聞いてもいいと思う?」
蓮が私を見る。
「いいと思うよ、全然」
そう言うと、蓮がしばらく黙る。
学校の門が近づいて来た。
みんながあちこちから合流して門に吸い込まれていく。
「でさー」
低く蓮の声が響く。
「夏休み中、みんなで花火しない?」
蓮がゆっくりと得意の笑みで私を見る。
私もつい笑顔になる。
「いいじゃん、やろやろー!やりたいやりたーい!」
変なダンスしてしまう。
「なにその踊り。あぶな、この人。」
「えーなんで、いいじゃん。喜びの舞。」
私の踊りに、蓮が歯を見せて笑う。
「あぶねえよ、このヒト。頭おかしい」
蓮がわざと私を置いていく。
重かった心が急に軽くなった。
医者かよ。
魔法かよ。
蓮も押して歩く。
「そういえば龍樹分かる?」
蓮が突然話題を変えた。
「あのでっかくてうるさい奴?」
私がそう言うと、「その言い方」と怒りながらも笑う。
龍樹くんはよく蓮の隣にいて、身長高くて入学当初から蓮と一緒に目立ってた人だ。
話し声も大きい。
「そいつがさ、奈穂ちゃんの連絡先知りたいんだって」
「え!」
確かに、奈穂も身長高いし大人っぽいしお似合いだ。
奈穂の口から龍樹くんの名前は出たことないけど。
「俺が今日奈穂ちゃんに聞いてもいいと思う?」
蓮が私を見る。
「いいと思うよ、全然」
そう言うと、蓮がしばらく黙る。
学校の門が近づいて来た。
みんながあちこちから合流して門に吸い込まれていく。
「でさー」
低く蓮の声が響く。
「夏休み中、みんなで花火しない?」
蓮がゆっくりと得意の笑みで私を見る。
私もつい笑顔になる。
「いいじゃん、やろやろー!やりたいやりたーい!」
変なダンスしてしまう。
「なにその踊り。あぶな、この人。」
「えーなんで、いいじゃん。喜びの舞。」
私の踊りに、蓮が歯を見せて笑う。
「あぶねえよ、このヒト。頭おかしい」
蓮がわざと私を置いていく。
重かった心が急に軽くなった。
医者かよ。
魔法かよ。