好きじゃない
放課後は今年度初めての委員会だった。

喋り続けてる奈穂と若菜を置いて教室を出る。
楽な委員会だと思ってたのに、結構面倒そうだ。

図書委員会。

今日は何を話し合うんだろう。

同じクラスの男子は、同じクラスになったものの一度も喋ったことのない奴だった。

案の定、集合場所となってる3年の教室に着いた頃には彼はちゃんと座って待機していた。

私は隣に座る。

遅い方かと思ってたけど、まだ半分くらいしか集まってない。
早く始まって早く終われ。

私はシャープペンを親指の上でクルクル回しながら時間を潰す。

あと2分くらいのところでチラホラと集まってきた。
先生もやっと教室に入ってくる。

あと一人二人ってところ。

約束の時間になる。

「2-1と3-4がまだか」

先生が見渡して言う。
早く始まって早く終われ。

「すみませーん」

やっと遅れてた一人が入ってきた。
私はシャープペンから顔を上げる。

その人は慌ただしく2-1の空いてる方の席に腰掛けた。

後ろ姿で分かる。

麻木蓮だった。
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