好きじゃない
「めっちゃ美人だけど、誰?」
つい私も聞いてしまった。
蓮は一口カフェオレを口に含んだあと、一呼吸置いて「元カノ」と言った。
やっぱり。
なんとなく余裕のない蓮が珍しいと思った。
偶然にもほどがある。
今の美人が、蓮の元カノ。
蓮の片想い状態で終わった元カノ。
蓮はカフェオレをゆっくりと飲む。
「久しぶりの再会なんじゃないの」
「まー別れて以来」
少しの沈黙。
「美人でしょ」
いじわるに蓮が自慢する。
「モデルとか何かやってんの」
「知らね。高校ん時は何も」
「『じゃあ、また』って言ってたよ」
「社交辞令でしょ」
落ち着け。
私は意識して深呼吸をする。
なんか、分からないけど、今のこの平和な時間が奪われそうな気がする。
「よかったじゃん」
心にもないことを言う。
「なにが」
「再会できて」
「一瞬で終わったけど」
私は、ろくな恋愛をしてこなかったから、今までのどんな恋よりも今の方が楽しい。
けど、蓮はそうじゃない。
私も、この間の1年生も、ただの心の隙間を埋める手段だ。
寂しさを埋めるための存在だ。
誰も元カノの代わりにはなれない。
「気持ちがなかったら、わざわざ気付いても声掛けないよ」
私は笑顔を作って言うと、蓮がまっすぐな目で私を見る。
「そう思う?」
すごく恋してる目だ。
そんな顔するんだ。
私は気付いたらヘラヘラ笑ってた。
「何かあるかもよー」
この関係が目の前から消え去っちゃうかもしれない。
そんな不安を拭って、蓮の背中を押そうと必死になってた。
「頑張りなよ」
私が笑顔を作ってそう言うと、蓮は小さく、でも確かに「うん」と言った。
つい私も聞いてしまった。
蓮は一口カフェオレを口に含んだあと、一呼吸置いて「元カノ」と言った。
やっぱり。
なんとなく余裕のない蓮が珍しいと思った。
偶然にもほどがある。
今の美人が、蓮の元カノ。
蓮の片想い状態で終わった元カノ。
蓮はカフェオレをゆっくりと飲む。
「久しぶりの再会なんじゃないの」
「まー別れて以来」
少しの沈黙。
「美人でしょ」
いじわるに蓮が自慢する。
「モデルとか何かやってんの」
「知らね。高校ん時は何も」
「『じゃあ、また』って言ってたよ」
「社交辞令でしょ」
落ち着け。
私は意識して深呼吸をする。
なんか、分からないけど、今のこの平和な時間が奪われそうな気がする。
「よかったじゃん」
心にもないことを言う。
「なにが」
「再会できて」
「一瞬で終わったけど」
私は、ろくな恋愛をしてこなかったから、今までのどんな恋よりも今の方が楽しい。
けど、蓮はそうじゃない。
私も、この間の1年生も、ただの心の隙間を埋める手段だ。
寂しさを埋めるための存在だ。
誰も元カノの代わりにはなれない。
「気持ちがなかったら、わざわざ気付いても声掛けないよ」
私は笑顔を作って言うと、蓮がまっすぐな目で私を見る。
「そう思う?」
すごく恋してる目だ。
そんな顔するんだ。
私は気付いたらヘラヘラ笑ってた。
「何かあるかもよー」
この関係が目の前から消え去っちゃうかもしれない。
そんな不安を拭って、蓮の背中を押そうと必死になってた。
「頑張りなよ」
私が笑顔を作ってそう言うと、蓮は小さく、でも確かに「うん」と言った。