好きじゃない
あっという間に学校が始まった。

何事もなかったかのように、毎日が始まる。

空白の8月だった。

私が教室に入ると、前まで蓮が座っていた席に代わりに龍樹くんが座っていた。

「おはよー」

私は声を掛ける。

「おはよー」

能天気な声が返ってくる。
聞かなくても十分仲良くやってることが見て取れる。

いいことだなあ、と思う。

来週からまた火曜日は図書委員会の受付当番だ。

蓮とまた二人。

どうしよう。

正直、元カノとの夏祭りの話なんて聞きたくないな。

付き合ってるなんて、聞きたくないな。

別にいいんだけど。

好きじゃないし。

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