好きじゃない
「昼休みの図書室ってなんかエロいよね」

若菜が突然言う。

「はあ?」

私は苦笑いで答える。

「絶対誰もいないじゃん、うちの学校、誰も図書室行かないでしょ」
「たしかにねー、行ったことなーい」

奈穂も便乗する。
私は身を乗り出した。

「それでさ、麻木蓮と二人で会話なかったら苦痛な時間でしかないよね?」

奈穂と若菜はチラッと視線を交わす。

「案外二人、話、合うんじゃね?」

若菜の一言に、私は「いやいやいやいや」と大きく手を振って否定した。

あんなサルと合ってたまるか。
< 6 / 54 >

この作品をシェア

pagetop