月に魔法をかけられて
「美月ちゃん、そのジャケットの下はワンピース?」
パーティー用の服に着替え終わり、瞳子さんが私とあゆみちゃんの最終チェックをする。
「そうです。でもジャケット脱いだらノースリーブで、デコルテから背中にかけてはシースルーなのでジャケットは脱げないんです。すみません……」
私は申し訳なく思いながら瞳子さんに頭を下げた。
「大丈夫よ。でもちょっと脱いでみてくれる?」
私は瞳子さんに言われた通り、ジャケットを脱いだ。
パーティーということもあり、エレガントで女性らしい華やかなワンピースだ。
深いダークブルーの控えめなフレアデザインで、全体的に花柄の刺繍があしらわれている。
デコルテから背中にかけてはシースルーになっており、清楚でありながら色っぽさも加わる。
また、ジャケットを着ると肩や背中が隠れるため、華やかなスーツとして様変わりするようになっていた。
「うん。そうね。これでいこうかな」
瞳子さんはジャケットを脱いだ私を見つめ、ひとりごとを言いながらうんうんと頷いている。
「美月ちゃん、パーティーの間はジャケットを着ていてもいいんだけど、新色コスメの発表の時だけ脱いでもらえるかな。全体的に暗いとメイクが映えないからね」
「はい、わかりました……」
「あゆみちゃんはそのままでOKよ。淡いピンクベージュのパーティースーツが良く似合ってるわ」
「瞳子さん、ありがとうございます!」
あゆみちゃんは嬉しそうな笑顔を瞳子さんに向けた。
「これで準備はOKね。じゃあ2人とも聞いてくれる? 今日のパーティーでは中盤に新色コスメの発表を予定しているのね。それで3色一緒に紹介はするんだけど、それぞれの色はひとりずつの紹介になるの。
まずはあゆみちゃんでパールゴールドの紹介。そして次に美月ちゃんのパールピンクの紹介。カメラが2人のメイクをスクリーンに映すから、2人は笑顔で立ってるだけでいいんだけど、コスメの紹介が終わるまではその場で笑顔で立っていてほしいの。
そして最後は武田絵奈がパールローズの紹介で出てくるわ。絵奈が出て来たら、2人はステージの後ろに下がっていいから。絵奈のコスメの紹介が終わったらこの間撮ったCMが流れることになってるの。これが一連の流れね。
少し大変な役なんだけど、2人ともよろしく頼むわね。このイベントが終わったら、後日忘年会も兼ねて一緒に飲みに行きましょ」
『はい。わかりました』
あゆみちゃんと一緒に返事をしながら、顔を見合わせて微笑む。
「美月ちゃん、もうすぐ16時30分になるわ。早く副社長のところに戻ってあげて。じゃあ、後で会場でね」
瞳子さんは腕時計を見ながらそう言うと、笑顔で私に向けて手を振った。
パーティー用の服に着替え終わり、瞳子さんが私とあゆみちゃんの最終チェックをする。
「そうです。でもジャケット脱いだらノースリーブで、デコルテから背中にかけてはシースルーなのでジャケットは脱げないんです。すみません……」
私は申し訳なく思いながら瞳子さんに頭を下げた。
「大丈夫よ。でもちょっと脱いでみてくれる?」
私は瞳子さんに言われた通り、ジャケットを脱いだ。
パーティーということもあり、エレガントで女性らしい華やかなワンピースだ。
深いダークブルーの控えめなフレアデザインで、全体的に花柄の刺繍があしらわれている。
デコルテから背中にかけてはシースルーになっており、清楚でありながら色っぽさも加わる。
また、ジャケットを着ると肩や背中が隠れるため、華やかなスーツとして様変わりするようになっていた。
「うん。そうね。これでいこうかな」
瞳子さんはジャケットを脱いだ私を見つめ、ひとりごとを言いながらうんうんと頷いている。
「美月ちゃん、パーティーの間はジャケットを着ていてもいいんだけど、新色コスメの発表の時だけ脱いでもらえるかな。全体的に暗いとメイクが映えないからね」
「はい、わかりました……」
「あゆみちゃんはそのままでOKよ。淡いピンクベージュのパーティースーツが良く似合ってるわ」
「瞳子さん、ありがとうございます!」
あゆみちゃんは嬉しそうな笑顔を瞳子さんに向けた。
「これで準備はOKね。じゃあ2人とも聞いてくれる? 今日のパーティーでは中盤に新色コスメの発表を予定しているのね。それで3色一緒に紹介はするんだけど、それぞれの色はひとりずつの紹介になるの。
まずはあゆみちゃんでパールゴールドの紹介。そして次に美月ちゃんのパールピンクの紹介。カメラが2人のメイクをスクリーンに映すから、2人は笑顔で立ってるだけでいいんだけど、コスメの紹介が終わるまではその場で笑顔で立っていてほしいの。
そして最後は武田絵奈がパールローズの紹介で出てくるわ。絵奈が出て来たら、2人はステージの後ろに下がっていいから。絵奈のコスメの紹介が終わったらこの間撮ったCMが流れることになってるの。これが一連の流れね。
少し大変な役なんだけど、2人ともよろしく頼むわね。このイベントが終わったら、後日忘年会も兼ねて一緒に飲みに行きましょ」
『はい。わかりました』
あゆみちゃんと一緒に返事をしながら、顔を見合わせて微笑む。
「美月ちゃん、もうすぐ16時30分になるわ。早く副社長のところに戻ってあげて。じゃあ、後で会場でね」
瞳子さんは腕時計を見ながらそう言うと、笑顔で私に向けて手を振った。