月に魔法をかけられて
「実はさ、昔、直人さんが俺に家庭教師として教えにきてくれてただろ? そのころ、瞳子がよくお茶を持って来てたじゃん」
「ああ、そうだったねー。いつも休憩の時に瞳子がお茶を持って来てくれてたよね」
「そうそう。その直人さんが飲んだお茶のカップでさ、瞳子が……」
「壮真!」
真っ赤な顔で副社長の名前を呼ぶ瞳子さん。
「瞳子がさ、直人さんが帰ったあと、直人さんの飲んだカップに自分のお茶を入れて毎回飲んでたんだよね。直人さんが口をつけたあたりに目ぼしをつけて……。このあたりかな……?とか言いながら。この瞳子がだぜ。そんな乙女な時代があったって話」
直人さんはそれを聞いてはははっーと笑い出し、瞳子さんは頬を真っ赤にして、副社長を睨みつけている。
可愛いー。
こんな大人な瞳子さんにもそんな一面があったんだ。
なんだか瞳子さんの気持ちがすごくわかり、思わずうんうんと頷く。
「私、瞳子さんの気持ちわかります。好きな人が触ったカップを自分も触ったりとか、好きな人が座っていた椅子に、後から座ってみたりとか……、女性ってそういうもんですよね、瞳子さん?」
「さすが、美月ちゃん。こんな女心も分からない壮真なんかに言われたくないわよね。壮真、後で覚えておきなさい!」
瞳子さんがお姉さま風を吹かせながら副社長を再び睨んだあと、不敵な笑みを浮かべた。
「ああ、そうだったねー。いつも休憩の時に瞳子がお茶を持って来てくれてたよね」
「そうそう。その直人さんが飲んだお茶のカップでさ、瞳子が……」
「壮真!」
真っ赤な顔で副社長の名前を呼ぶ瞳子さん。
「瞳子がさ、直人さんが帰ったあと、直人さんの飲んだカップに自分のお茶を入れて毎回飲んでたんだよね。直人さんが口をつけたあたりに目ぼしをつけて……。このあたりかな……?とか言いながら。この瞳子がだぜ。そんな乙女な時代があったって話」
直人さんはそれを聞いてはははっーと笑い出し、瞳子さんは頬を真っ赤にして、副社長を睨みつけている。
可愛いー。
こんな大人な瞳子さんにもそんな一面があったんだ。
なんだか瞳子さんの気持ちがすごくわかり、思わずうんうんと頷く。
「私、瞳子さんの気持ちわかります。好きな人が触ったカップを自分も触ったりとか、好きな人が座っていた椅子に、後から座ってみたりとか……、女性ってそういうもんですよね、瞳子さん?」
「さすが、美月ちゃん。こんな女心も分からない壮真なんかに言われたくないわよね。壮真、後で覚えておきなさい!」
瞳子さんがお姉さま風を吹かせながら副社長を再び睨んだあと、不敵な笑みを浮かべた。