月に魔法をかけられて
「美月ちゃん、久しぶり。元気にしてる?」
いつもと変わらない瞳子さんの声に、ほっとしている自分がいた。
「瞳子さんすみません。折り入ってお話したいことがあるのですが……。急なんですけど、今から時間って空いてませんか?」
「それは大丈夫よ。どうしたの? 何かあった?」
「はい。できれば会議室を取ってお話したいのですが、大丈夫ですか?」
私が何も言わないことに何かを察したのか、瞳子さんは少しの間無言になったあと、声を潜めた。
「美月ちゃん、今、12階の第5会議室を取ったわ。そこに来てくれる?」
「わかりました。すぐ行きます」
「あっ、それと……。塩野部長も一緒に行っても大丈夫かな?」
私は一瞬考えたあと、言葉を続けた。
「瞳子さん、塩野部長も副社長の味方ですよね?」
私の言葉に瞳子さんは「大丈夫よ。すぐに会議室に向かうから」と言って電話を切った。
急いでアウトルックのスケジュールに『打ち合わせ』と入れ、カモフラージュとして会議用の資料とパソコンを持ち、12階へと向かう。
会議室のドアをノックして開けると、既に塩野部長と瞳子さんが席に座っていた。
「お2人とも本当にすみません。急に無理なお願いをして……」
ドアの前で深く頭を下げると、瞳子さんが「美月ちゃん、大丈夫だから早く座って」と言って、私を招き寄せた。
いつもと変わらない瞳子さんの声に、ほっとしている自分がいた。
「瞳子さんすみません。折り入ってお話したいことがあるのですが……。急なんですけど、今から時間って空いてませんか?」
「それは大丈夫よ。どうしたの? 何かあった?」
「はい。できれば会議室を取ってお話したいのですが、大丈夫ですか?」
私が何も言わないことに何かを察したのか、瞳子さんは少しの間無言になったあと、声を潜めた。
「美月ちゃん、今、12階の第5会議室を取ったわ。そこに来てくれる?」
「わかりました。すぐ行きます」
「あっ、それと……。塩野部長も一緒に行っても大丈夫かな?」
私は一瞬考えたあと、言葉を続けた。
「瞳子さん、塩野部長も副社長の味方ですよね?」
私の言葉に瞳子さんは「大丈夫よ。すぐに会議室に向かうから」と言って電話を切った。
急いでアウトルックのスケジュールに『打ち合わせ』と入れ、カモフラージュとして会議用の資料とパソコンを持ち、12階へと向かう。
会議室のドアをノックして開けると、既に塩野部長と瞳子さんが席に座っていた。
「お2人とも本当にすみません。急に無理なお願いをして……」
ドアの前で深く頭を下げると、瞳子さんが「美月ちゃん、大丈夫だから早く座って」と言って、私を招き寄せた。