月に魔法をかけられて
金曜日の午後3時。
そういえば、秘書になって間もない頃、副社長はこうして金曜日の3時になるとどこかへ出かけていた。
秋から冬の間は出かけることもなくなっていたけれど、最近はまた金曜日の午後3時になると出かけていく。
いったいどこに出かけているんだろう?
彼女にでも会いに行くのかな……なんてあの頃はそんなことを思っていたけれど。
だけどこうして副社長と一緒に過ごすようになってから、それは全く違うだろうと感じる。
会食以外の日は毎日一緒にごはんを食べるし、週末は買い物に行ったり、お家で過ごすことがほとんどだ。
それに、毎晩変わらず私に触れている。
これで浮気でもしてるものなら、世の中の女性はみんな騙されてしまうはずだ。
だから、絶対に女性ではないと思うし……。
かといって、それ以外に思い当たることがないんだけどな……。
習い事? 業務中にそれはないよね……。
聞いたら答えてくれるかな?
そんなことを思いながら、私は定時までに仕事を終わらせようと再び業務に取りかかった。
*****
約束の時間の15分前にホテルに到着すると、既に副社長が1階のフロアで待っていた。
「美月!」
名前を呼ばれ、急いで走っていく。
「すみません。お待たせしました」
「いや、俺もさっき着いたところだから。レストランは上だから、エレベーターに乗るぞ」
副社長はさりげなく私の背中に触れて優しくエスコートをしてくれながら、エレベーターに乗り45階のボタンを押した。
そういえば、秘書になって間もない頃、副社長はこうして金曜日の3時になるとどこかへ出かけていた。
秋から冬の間は出かけることもなくなっていたけれど、最近はまた金曜日の午後3時になると出かけていく。
いったいどこに出かけているんだろう?
彼女にでも会いに行くのかな……なんてあの頃はそんなことを思っていたけれど。
だけどこうして副社長と一緒に過ごすようになってから、それは全く違うだろうと感じる。
会食以外の日は毎日一緒にごはんを食べるし、週末は買い物に行ったり、お家で過ごすことがほとんどだ。
それに、毎晩変わらず私に触れている。
これで浮気でもしてるものなら、世の中の女性はみんな騙されてしまうはずだ。
だから、絶対に女性ではないと思うし……。
かといって、それ以外に思い当たることがないんだけどな……。
習い事? 業務中にそれはないよね……。
聞いたら答えてくれるかな?
そんなことを思いながら、私は定時までに仕事を終わらせようと再び業務に取りかかった。
*****
約束の時間の15分前にホテルに到着すると、既に副社長が1階のフロアで待っていた。
「美月!」
名前を呼ばれ、急いで走っていく。
「すみません。お待たせしました」
「いや、俺もさっき着いたところだから。レストランは上だから、エレベーターに乗るぞ」
副社長はさりげなく私の背中に触れて優しくエスコートをしてくれながら、エレベーターに乗り45階のボタンを押した。