月に魔法をかけられて
お家にあがり、リビングへと通される。
外観の大きさからかなり広いお家だとは思っていたものの、想像以上の広さに改めてびっくりしてしまった。
40畳以上はあると思われる吹き抜けのリビングには、レストランでしか見たことないような、軽く10人は座れそうなダイニングテーブルが置かれ、その隣には大きなL字型のソファーがセンス良く並んでいる。
そのソファーには、副社長のお父さんであるルナ・ボーテの藤沢社長が座って新聞を読んでいた。
「あなた、美月さんがいらっしゃいましたよ。啓ちゃんにお嫁さんを取られそうになっている壮真も一緒にね」
副社長のお母さんが笑いながら社長に声をかける。
社長は読んでいた新聞を綺麗に折りたたんでテーブルの上に置くと、私たちの方へ顔を向けた。
「いらっしゃい。今日は楽しみに待っていたよ」
「お、お疲れさまです。休日に申し訳ございません……」
社長ということもあり、より一層緊張感に包まれ、挨拶も必然的に固くなってしまう。
社長はいつも会社で見るスーツ姿とは違い、ピンクのシャツにベージュのパンツを合わせて、柔らかい雰囲気を醸し出していた。
涼やかな目元が副社長に似ているところを見ると、やはり親子なんだなと感じてしまう。
「美月、今日は社長じゃなくて俺の親父だから。会社じゃないからリラックスして」
副社長の優しい言葉に頷いていると、
「壮真も美月ちゃんも椅子に座って。お茶を入れるから、お父さんもこっちに来て座って」
瞳子さんがそう言いながらお茶の準備をするのにキッチンに向かう。
「あっ、こちらリーフパイなんですけど、皆さんでどうぞ」
私はずっと手に持ち続けていたお土産を副社長のお母さんに手渡した。
「あら、気を遣っていただいてごめんなさいね。瞳子、美月さんからお土産をいただいちゃったわ。用意していたケーキと一緒にこちらも早速いただこうかしら? 啓ちゃんもいるし、お菓子があるとしばらくの間は静かでいてくれるでしょ」
「そうね。じゃあ私が準備するから、お母さんは座って壮真たちと先に話をして」
「じゃあお願いね。美月さん、どうぞこっちに座って」
お義母さんは私をダイニングテーブルの椅子に促すと、自分も社長の隣に座った。
外観の大きさからかなり広いお家だとは思っていたものの、想像以上の広さに改めてびっくりしてしまった。
40畳以上はあると思われる吹き抜けのリビングには、レストランでしか見たことないような、軽く10人は座れそうなダイニングテーブルが置かれ、その隣には大きなL字型のソファーがセンス良く並んでいる。
そのソファーには、副社長のお父さんであるルナ・ボーテの藤沢社長が座って新聞を読んでいた。
「あなた、美月さんがいらっしゃいましたよ。啓ちゃんにお嫁さんを取られそうになっている壮真も一緒にね」
副社長のお母さんが笑いながら社長に声をかける。
社長は読んでいた新聞を綺麗に折りたたんでテーブルの上に置くと、私たちの方へ顔を向けた。
「いらっしゃい。今日は楽しみに待っていたよ」
「お、お疲れさまです。休日に申し訳ございません……」
社長ということもあり、より一層緊張感に包まれ、挨拶も必然的に固くなってしまう。
社長はいつも会社で見るスーツ姿とは違い、ピンクのシャツにベージュのパンツを合わせて、柔らかい雰囲気を醸し出していた。
涼やかな目元が副社長に似ているところを見ると、やはり親子なんだなと感じてしまう。
「美月、今日は社長じゃなくて俺の親父だから。会社じゃないからリラックスして」
副社長の優しい言葉に頷いていると、
「壮真も美月ちゃんも椅子に座って。お茶を入れるから、お父さんもこっちに来て座って」
瞳子さんがそう言いながらお茶の準備をするのにキッチンに向かう。
「あっ、こちらリーフパイなんですけど、皆さんでどうぞ」
私はずっと手に持ち続けていたお土産を副社長のお母さんに手渡した。
「あら、気を遣っていただいてごめんなさいね。瞳子、美月さんからお土産をいただいちゃったわ。用意していたケーキと一緒にこちらも早速いただこうかしら? 啓ちゃんもいるし、お菓子があるとしばらくの間は静かでいてくれるでしょ」
「そうね。じゃあ私が準備するから、お母さんは座って壮真たちと先に話をして」
「じゃあお願いね。美月さん、どうぞこっちに座って」
お義母さんは私をダイニングテーブルの椅子に促すと、自分も社長の隣に座った。