月に魔法をかけられて
わっ、やっぱり怒ってるよね?
空いたグラスを見た私は、話題を変えるように
「副社長、ビールでいいですか?」
と聞いたあと、店員さんを呼び、石川さんや彩矢の飲み物も一緒に注文した。
「副社長、ビールです。石川さんと彩矢はスパークリングワインです。どうぞ」
運ばれてきた飲み物をそれぞれに渡す。
そしてサングリアを自分の目の前に置いたところで、石川さんがまた爆弾を落とした。
「ねぇ、美月ちゃん。ここでは副社長っていう呼び方を変えない?」
「あっ、そうですよね。こういう場所で他の方に知られるの良くないですよね。すみません……」
「それもあるけどさ。
俺の中で壮真と副社長が一致しないんだよね。一瞬誰のこと?って思っちゃってさ。だってこいつ、壮真だもん」
石川さんはニヤニヤといたずらっ子のような顔をしながら副社長を見る。
「なんだそれ……」
副社長は呆れたようにフッと鼻で笑い返した。
「でさ、ここはフランクに下の名前で呼ぶことにしようよ」
「ひぇっ?」
突拍子もない発言に、目をまん丸くした私は、あまりにも驚きすぎて声が裏返ってしまった。
「美月ちゃん、驚きすぎだって……」
石川さんが大笑いを始めて、彩矢も一緒になって楽しそうに笑っている。
副社長にいたっては、全く興味がないのか、優雅にグラスを持ってビールを飲んでいる。
いやー、石川さんは下の名前で呼べるにしても、
副社長は無理です!
もう、石川さん、なんてこと言うのー!!!
「じゃあ彩矢ちゃん、俺は聡ね。こいつは壮真で」
「わかりました。聡……さん……」
えっ──。
彩矢、普通に呼んでるし……。
空いたグラスを見た私は、話題を変えるように
「副社長、ビールでいいですか?」
と聞いたあと、店員さんを呼び、石川さんや彩矢の飲み物も一緒に注文した。
「副社長、ビールです。石川さんと彩矢はスパークリングワインです。どうぞ」
運ばれてきた飲み物をそれぞれに渡す。
そしてサングリアを自分の目の前に置いたところで、石川さんがまた爆弾を落とした。
「ねぇ、美月ちゃん。ここでは副社長っていう呼び方を変えない?」
「あっ、そうですよね。こういう場所で他の方に知られるの良くないですよね。すみません……」
「それもあるけどさ。
俺の中で壮真と副社長が一致しないんだよね。一瞬誰のこと?って思っちゃってさ。だってこいつ、壮真だもん」
石川さんはニヤニヤといたずらっ子のような顔をしながら副社長を見る。
「なんだそれ……」
副社長は呆れたようにフッと鼻で笑い返した。
「でさ、ここはフランクに下の名前で呼ぶことにしようよ」
「ひぇっ?」
突拍子もない発言に、目をまん丸くした私は、あまりにも驚きすぎて声が裏返ってしまった。
「美月ちゃん、驚きすぎだって……」
石川さんが大笑いを始めて、彩矢も一緒になって楽しそうに笑っている。
副社長にいたっては、全く興味がないのか、優雅にグラスを持ってビールを飲んでいる。
いやー、石川さんは下の名前で呼べるにしても、
副社長は無理です!
もう、石川さん、なんてこと言うのー!!!
「じゃあ彩矢ちゃん、俺は聡ね。こいつは壮真で」
「わかりました。聡……さん……」
えっ──。
彩矢、普通に呼んでるし……。