月に魔法をかけられて
それからは、石川さん改め、聡さんと彩矢がほとんど話し、それに私と壮……、いや、やっぱり言えない……。副社長が時々受け答えをするという、構図が続き……。
いつの間にか話は、どういう人がタイプかという話題になっていた。
「美月ちゃんは彼氏いるの? どういう人がタイプ?」
聡さんが好きな食べ物でも聞くように、サラリと尋ねる。
「わ、私は……、特にタイプとかなくて……、っていうか、あんまりそういうことに興味がなくて……」
私は熱々のパエリアをお皿に取り分けながら、なるべく視線を合わせないように答えた。
「えっ? 興味がないの? どうして? 」
聡さんは信じられないといった感じで質問をしてくる。
このままだと、いろいろ聞かれちゃうよね。
こんなところで理由なんていうことできないし。
私は次の質問が来る前に、逆に聡さんに聞き返した。
「聡さんはどういう方がタイプなんですか? やっぱりモテるでしょうし、こんな風に私たちとごはん食べてたりなんかしたら彼女が心配されるんじゃないですか?」
取り分けた熱々のパエリアを、どうぞと目で合図をしながら聡さんに渡す。
「俺はやっぱりいつも笑顔でいてくれる女の子がいいかな。理想はあげたらキリがないけど、一番はそれだよね。それにさ、聞いてくれる? 俺に未だに彼女がいないのは壮真のせいなんだよ。こいつがさ、いつも俺を呼び出すから、俺には彼女を見つける時間がなくてさ」
聡さんが大げさに大きな溜息をついた。
それを見た副社長が、
「何言ってんだよ。それは単にお前がヘタレなだけだろ。人のせいにすんなよ」
と、フンっと笑いながら冗談っぽくジロリと睨んだ。
いつの間にか話は、どういう人がタイプかという話題になっていた。
「美月ちゃんは彼氏いるの? どういう人がタイプ?」
聡さんが好きな食べ物でも聞くように、サラリと尋ねる。
「わ、私は……、特にタイプとかなくて……、っていうか、あんまりそういうことに興味がなくて……」
私は熱々のパエリアをお皿に取り分けながら、なるべく視線を合わせないように答えた。
「えっ? 興味がないの? どうして? 」
聡さんは信じられないといった感じで質問をしてくる。
このままだと、いろいろ聞かれちゃうよね。
こんなところで理由なんていうことできないし。
私は次の質問が来る前に、逆に聡さんに聞き返した。
「聡さんはどういう方がタイプなんですか? やっぱりモテるでしょうし、こんな風に私たちとごはん食べてたりなんかしたら彼女が心配されるんじゃないですか?」
取り分けた熱々のパエリアを、どうぞと目で合図をしながら聡さんに渡す。
「俺はやっぱりいつも笑顔でいてくれる女の子がいいかな。理想はあげたらキリがないけど、一番はそれだよね。それにさ、聞いてくれる? 俺に未だに彼女がいないのは壮真のせいなんだよ。こいつがさ、いつも俺を呼び出すから、俺には彼女を見つける時間がなくてさ」
聡さんが大げさに大きな溜息をついた。
それを見た副社長が、
「何言ってんだよ。それは単にお前がヘタレなだけだろ。人のせいにすんなよ」
と、フンっと笑いながら冗談っぽくジロリと睨んだ。