月に魔法をかけられて
「よく言うよ。今日だって俺が彩矢ちゃんとごはんに行こうとしてたのに、『今羽田に着いたから飯食いに行くぞ』って連絡してきたのは壮真だろ。俺のチャンスをさ、いつも壊しやがって」
「だったら2人で行けばいいのに、何も言わずに俺をここに連れてきたのはお前だろ。恐らくお前のことだから、2人だと緊張するし、案外俺から連絡があって助かったって思ってるんじゃないのか?」
副社長が『お前の考えはお見通しだ』と言わんばかりに楽しそうに笑う。
「それに、チャンスがあっても、いつもヘタレだからモノに出来てないだろ。女にモテるわりには、聡は昔から好きな子にはヘタレだからな」
「うるせー」
こんな言い合いができるなんて、ほんとに仲がいいんだろうな。
私はそんな2人のやりとりを見ていてほっこりしていた。
そう言えば、聡さん、
さっき『俺のチャンス』って言ったよね?
それって、彩矢のことがやっぱり気に入ってるってことだよね?
ということは、やっぱり……。
「聡さん、彼女がいらっしゃらないのでしたら、彩矢はどうですか? いつも笑顔でいてくれるとってもいい子ですよ。私が保証します」
「ちょっ、ちょっと美月……、何言ってるの……」
私の言葉に、彩矢が顔を真っ赤に染めながら、焦っている。
「えっ? あっ、いや……」
さっきまで歯切れが良かった聡さんが、恥ずかしそうに視線をそらし、急におとなしくなった。
「だったら2人で行けばいいのに、何も言わずに俺をここに連れてきたのはお前だろ。恐らくお前のことだから、2人だと緊張するし、案外俺から連絡があって助かったって思ってるんじゃないのか?」
副社長が『お前の考えはお見通しだ』と言わんばかりに楽しそうに笑う。
「それに、チャンスがあっても、いつもヘタレだからモノに出来てないだろ。女にモテるわりには、聡は昔から好きな子にはヘタレだからな」
「うるせー」
こんな言い合いができるなんて、ほんとに仲がいいんだろうな。
私はそんな2人のやりとりを見ていてほっこりしていた。
そう言えば、聡さん、
さっき『俺のチャンス』って言ったよね?
それって、彩矢のことがやっぱり気に入ってるってことだよね?
ということは、やっぱり……。
「聡さん、彼女がいらっしゃらないのでしたら、彩矢はどうですか? いつも笑顔でいてくれるとってもいい子ですよ。私が保証します」
「ちょっ、ちょっと美月……、何言ってるの……」
私の言葉に、彩矢が顔を真っ赤に染めながら、焦っている。
「えっ? あっ、いや……」
さっきまで歯切れが良かった聡さんが、恥ずかしそうに視線をそらし、急におとなしくなった。