月に魔法をかけられて
「美月ちゃん、私が美月ちゃんを嫌ってるって思ってるでしょ? そうじゃないからね。美月ちゃんにはね、副社長のサポートをしてほしいの。私は美月ちゃんのこと、信頼してるから。
副社長の仕事って結構大変だからねー。美月ちゃんみたいな子が副社長の秘書だと私も安心……」
瞳子さんはそう言ってふわりと笑う。
瞳子さん。私はマーケに戻りたいんですけど……。
どうして私が副社長の秘書だと安心なんですか?
私は瞳子さんの笑顔に、何も言えず微妙な笑みを浮かべた。
そう、私に秘書部への異動の話を最初にしてきたのは塩野部長だったけれど、秘書部への異動を強く押したのは瞳子さんだった。
あれは2月の最終週の月曜日。
私は会社に出社すると、いつものように自分の席について、さっそく仕事にとりかかろうとパソコンの電源をつけた。
3日後の戦略会議で使う資料のデータをまとめて、今日中には部長にチェックしてもらわなきゃ。
その前にメールチェックをして……っと。
すると、塩野部長から9時半に12階の会議室に来るようにとのメールが入っていた。
部長、なんだろう?
いつもならここで声をかけてくれるのに……。
まだ会議の資料、最後までできてないんだけどな。
もしかして私、何かミスでもあったのかな?
私はノートパソコンと筆記用具を持って会議室へと向かった。
副社長の仕事って結構大変だからねー。美月ちゃんみたいな子が副社長の秘書だと私も安心……」
瞳子さんはそう言ってふわりと笑う。
瞳子さん。私はマーケに戻りたいんですけど……。
どうして私が副社長の秘書だと安心なんですか?
私は瞳子さんの笑顔に、何も言えず微妙な笑みを浮かべた。
そう、私に秘書部への異動の話を最初にしてきたのは塩野部長だったけれど、秘書部への異動を強く押したのは瞳子さんだった。
あれは2月の最終週の月曜日。
私は会社に出社すると、いつものように自分の席について、さっそく仕事にとりかかろうとパソコンの電源をつけた。
3日後の戦略会議で使う資料のデータをまとめて、今日中には部長にチェックしてもらわなきゃ。
その前にメールチェックをして……っと。
すると、塩野部長から9時半に12階の会議室に来るようにとのメールが入っていた。
部長、なんだろう?
いつもならここで声をかけてくれるのに……。
まだ会議の資料、最後までできてないんだけどな。
もしかして私、何かミスでもあったのかな?
私はノートパソコンと筆記用具を持って会議室へと向かった。