月に魔法をかけられて
30分後──。
ゆるっとした白いニットの膝丈のワンピースに、茶色のスエードのロングブーツを履かされ、髪の毛はゆるいふわふわウェーブ、そして新色のパールピンクのメイクをされた私は、あゆみちゃんに引っ張られながら、スタジオへと戻ってきた。
「瞳子さーん、美月先輩見てくださいー。もう可愛すぎるんですー」
「ちょっとあゆみちゃんやめてー。もう恥ずかしすぎる……。私やっぱり無理……」
下を向きながら引き返そうとする私に、あゆみちゃんはしっかりと腕を掴んで放さない。
「うわっ、美月さん、めちゃ可愛いじゃないですか。俺、マジで惚れちゃいます。っていうか、世の中の男全員、絶対美月さんに惚れちゃいますよー」
もう、田村くんまで何言ってるのー。
ほんとにやめてー。
こんな格好なんてしたことないし、メイクだってこんなにしっかりしたことないのに……。
もう恥ずかしすぎて、顔をあげることができないじゃん……。
「わっ、美月ちゃん、すっごくいい。可愛いじゃない。やっぱり思った通りね。私の目に狂いはなかったわ。これはモデルの武田絵奈より美月ちゃんの方がCMのイメージかもしれない……」
瞳子さんは満足そうにふふふっと笑いながら、私の前に1枚の絵コンテを差し出した。
「美月ちゃん、これが今回の絵コンテね。設定はデートで、カフェの中の待ち合わせ。
それで美月ちゃんはまず①で 『待った?』ってモデルのHAYATOに聞きながら椅子に座るの。
そしたらHAYATOが②で『ううん。今来たとこ』って答えるのね。
そして③で美月ちゃんがニコッと笑う。
すると、カメラが美月ちゃんの目元のアイメイクと唇のリップをアップで撮って、最後に顔全体を映すから。
そしたら最後に④でHAYATOの『僕はまた君に恋してしまう』っていうナレーションが入るようになってるの。最後は2人で顔を合わせてお互い笑顔を向けてね。全体的にはこんな感じよ」
ゆるっとした白いニットの膝丈のワンピースに、茶色のスエードのロングブーツを履かされ、髪の毛はゆるいふわふわウェーブ、そして新色のパールピンクのメイクをされた私は、あゆみちゃんに引っ張られながら、スタジオへと戻ってきた。
「瞳子さーん、美月先輩見てくださいー。もう可愛すぎるんですー」
「ちょっとあゆみちゃんやめてー。もう恥ずかしすぎる……。私やっぱり無理……」
下を向きながら引き返そうとする私に、あゆみちゃんはしっかりと腕を掴んで放さない。
「うわっ、美月さん、めちゃ可愛いじゃないですか。俺、マジで惚れちゃいます。っていうか、世の中の男全員、絶対美月さんに惚れちゃいますよー」
もう、田村くんまで何言ってるのー。
ほんとにやめてー。
こんな格好なんてしたことないし、メイクだってこんなにしっかりしたことないのに……。
もう恥ずかしすぎて、顔をあげることができないじゃん……。
「わっ、美月ちゃん、すっごくいい。可愛いじゃない。やっぱり思った通りね。私の目に狂いはなかったわ。これはモデルの武田絵奈より美月ちゃんの方がCMのイメージかもしれない……」
瞳子さんは満足そうにふふふっと笑いながら、私の前に1枚の絵コンテを差し出した。
「美月ちゃん、これが今回の絵コンテね。設定はデートで、カフェの中の待ち合わせ。
それで美月ちゃんはまず①で 『待った?』ってモデルのHAYATOに聞きながら椅子に座るの。
そしたらHAYATOが②で『ううん。今来たとこ』って答えるのね。
そして③で美月ちゃんがニコッと笑う。
すると、カメラが美月ちゃんの目元のアイメイクと唇のリップをアップで撮って、最後に顔全体を映すから。
そしたら最後に④でHAYATOの『僕はまた君に恋してしまう』っていうナレーションが入るようになってるの。最後は2人で顔を合わせてお互い笑顔を向けてね。全体的にはこんな感じよ」