月に魔法をかけられて
「はーい。では絵奈さんが来られるまで先にリハーサルを始めさせていただきます。絵奈さんの代わりは、うちの社員が担当させていただきます。スタッフのみなさん、すみませんがよろしくお願い致します」
瞳子さんが両手を口に添えてスタジオの全員に大きな声で呼びかける。
「OKでーす。ではこれからリハ始めまーす」
スタッフの方たちが定位置につき始め、撮影用のカメラもセットされた。
どこに隠れていたのかというくらい、続々と人が集まってくる。
そんな周りの様子に、私の緊張も一気にピークにまで膨れ上がった。
「美月ちゃん、大丈夫。そんなに緊張しないで。
ただのリハなんだから。ねっ」
瞳子さんが、緊張で強張っている私を落ち着かせるように私の両手を握った。
「瞳子さん……」
「大丈夫。イメージだけ掴みたいだけだから。HAYATOくんも感謝しているし、私たちも美月ちゃんが代役をしてくれて、とても助かってるんだからね」
「わかりました……」
「じゃあ、始めるわね」
瞳子さんは人差し指で自分の頬に触れながら『ス・マ・イ・ル』と私に向けて口パクすると、スタッフに「お願いします」と声をかけた。
「はい、ではリハに入りまーす……。スタンバイいいですかー。よーい、スタート!」
カチーン──。
歯切れのいいカチンコの音が鳴り、カメラがまわり始めた。
瞳子さんが両手を口に添えてスタジオの全員に大きな声で呼びかける。
「OKでーす。ではこれからリハ始めまーす」
スタッフの方たちが定位置につき始め、撮影用のカメラもセットされた。
どこに隠れていたのかというくらい、続々と人が集まってくる。
そんな周りの様子に、私の緊張も一気にピークにまで膨れ上がった。
「美月ちゃん、大丈夫。そんなに緊張しないで。
ただのリハなんだから。ねっ」
瞳子さんが、緊張で強張っている私を落ち着かせるように私の両手を握った。
「瞳子さん……」
「大丈夫。イメージだけ掴みたいだけだから。HAYATOくんも感謝しているし、私たちも美月ちゃんが代役をしてくれて、とても助かってるんだからね」
「わかりました……」
「じゃあ、始めるわね」
瞳子さんは人差し指で自分の頬に触れながら『ス・マ・イ・ル』と私に向けて口パクすると、スタッフに「お願いします」と声をかけた。
「はい、ではリハに入りまーす……。スタンバイいいですかー。よーい、スタート!」
カチーン──。
歯切れのいいカチンコの音が鳴り、カメラがまわり始めた。