怪事件捜査クラブ~十六人谷の伝説~
「有名な動画配信サイトの投稿者ですよ。過激な投稿がウリの」
笹崎が上河内とジャブダルに説明して、懐かしそうに続けた。
「一時期流行ったなぁ。でも、それが大島さんだったなんてびっくり!」
「荒らしや仮面は最近、新しい動画を投稿する予定で、それが地獄の業火降臨? というタイトルだったんです」
一瞬にして、全員の脳裏に大島が火達磨になった瞬間が思い起こされた。ぞっとして、笹崎とあかねは身震いをした。
「それで、あたしも大島さんが荒らしや仮面だって知ったとき、この交霊会でドッキリ映像か何かを撮る気なんだなって思ってたんですけど、まさかこんなことになるとはね……」
(そっか。要ちゃんそれでなんか隠してる感じがしたんだ)
由希が心の中で納得したとき、どこか焦燥感のある声音で田中が訊いた。
「いや。そもそも、どうしてキミ達は大島さんが荒らしや仮面だって知ってるんだ?」
「いやぁ、まあ、それは置いといて――」
「こいつがパソコンでちょちょいと調べたんだよ。さっきな」
「さっき?」
田中とあかねが同時に尋ねる。田中は怪訝に満ちた様子だったが、あかねは怒りに満ちていた。
「さっきっていつよ!?」
「ペンションついてすぐくらいかなぁ? えへへ」
「えへへじゃないわよ! アンタって子はぁ!」
「あかねちゃん。今はその話は置いておこう」
由希に宥められて、渋々あかねは身を引くと、「早く話しなさいよ」と促した。
「大島さんの右腕にはジェルのようなものが塗られていました。おそらく、耐熱ジェルでしょう。右腕の火傷は他よりも遥かに軽症でしたから。多分、腕に巻かれていた包帯に火を点ける予定だったんだと思います。包帯は軽く巻かれていたので、あんなに燃え広がるのが速くなければ、易々と取り外せたはずです」
「じゃあ、大島さんが半そでだったのは衣服に燃え移りにくくするためだったのね?」
確認するようにあかねが訊いた。要はこくりと頷いた。
「大島さんは交霊会を開き、それが失敗して霊が暴走し、結果何もないところから、人の腕に火が点いた。そういう映像を撮ろうとしてたんだよ。そしてそれには火を点ける共犯者が必要だった。でも、その共犯者はここにはいない」
「ってことは、猪口さん?」
あかねが訝しむ表情で訊いた。要は強い瞳であかねを見返す。
笹崎が上河内とジャブダルに説明して、懐かしそうに続けた。
「一時期流行ったなぁ。でも、それが大島さんだったなんてびっくり!」
「荒らしや仮面は最近、新しい動画を投稿する予定で、それが地獄の業火降臨? というタイトルだったんです」
一瞬にして、全員の脳裏に大島が火達磨になった瞬間が思い起こされた。ぞっとして、笹崎とあかねは身震いをした。
「それで、あたしも大島さんが荒らしや仮面だって知ったとき、この交霊会でドッキリ映像か何かを撮る気なんだなって思ってたんですけど、まさかこんなことになるとはね……」
(そっか。要ちゃんそれでなんか隠してる感じがしたんだ)
由希が心の中で納得したとき、どこか焦燥感のある声音で田中が訊いた。
「いや。そもそも、どうしてキミ達は大島さんが荒らしや仮面だって知ってるんだ?」
「いやぁ、まあ、それは置いといて――」
「こいつがパソコンでちょちょいと調べたんだよ。さっきな」
「さっき?」
田中とあかねが同時に尋ねる。田中は怪訝に満ちた様子だったが、あかねは怒りに満ちていた。
「さっきっていつよ!?」
「ペンションついてすぐくらいかなぁ? えへへ」
「えへへじゃないわよ! アンタって子はぁ!」
「あかねちゃん。今はその話は置いておこう」
由希に宥められて、渋々あかねは身を引くと、「早く話しなさいよ」と促した。
「大島さんの右腕にはジェルのようなものが塗られていました。おそらく、耐熱ジェルでしょう。右腕の火傷は他よりも遥かに軽症でしたから。多分、腕に巻かれていた包帯に火を点ける予定だったんだと思います。包帯は軽く巻かれていたので、あんなに燃え広がるのが速くなければ、易々と取り外せたはずです」
「じゃあ、大島さんが半そでだったのは衣服に燃え移りにくくするためだったのね?」
確認するようにあかねが訊いた。要はこくりと頷いた。
「大島さんは交霊会を開き、それが失敗して霊が暴走し、結果何もないところから、人の腕に火が点いた。そういう映像を撮ろうとしてたんだよ。そしてそれには火を点ける共犯者が必要だった。でも、その共犯者はここにはいない」
「ってことは、猪口さん?」
あかねが訝しむ表情で訊いた。要は強い瞳であかねを見返す。