怪事件捜査クラブ~十六人谷の伝説~
「小学一年生か、二年生か、とにかく低学年くらいの年齢の子。わたしがここに来た日に、一度だけペンションの角で視た子。あの子が秋葉ちゃんを起こしたの。それで、秋葉ちゃんが助けに入って、二人で逃げて。でも、お面の人も後を追って……」
「それで、どうなったの?」
要の質問に、由希はかぶりを振った。
「分からない。一般道に出た瞬間に何も視えなくなったの。それからどれくらい意識を失ってたのか分からないし、それにわたし、幽霊以外でこんなの視たの初めてで、もしかしたら本当にただの夢かも知れなくて」
「でも現に秋葉もあかねもいないよ」
「……うん」
鼻を啜りながら、由希は頷いた。零れそうになる涙を必死に堪える。
「あたしのパソコンもないしなぁ……」
要は窓際のテーブルを一目して、視線を落とした。
「ちょいと、ごめんなさいよ」
腰を曲げて屈み込む。そのまま歩き回るので、皆は要を避けて動いた。ドア付近で止まると、床に顔を近づけた。
「へこんだ跡がある」
低声で呟いて、身体を起こす。それと同時に朝日が海から登り、日の光を注いだ。要は明るくなった窓の外を一瞥し、一行を見据えた。
「道の捜索はちょっと後回しにして頂いて、あかねと秋葉の捜索にご協力頂けますか?」
「それで、どうなったの?」
要の質問に、由希はかぶりを振った。
「分からない。一般道に出た瞬間に何も視えなくなったの。それからどれくらい意識を失ってたのか分からないし、それにわたし、幽霊以外でこんなの視たの初めてで、もしかしたら本当にただの夢かも知れなくて」
「でも現に秋葉もあかねもいないよ」
「……うん」
鼻を啜りながら、由希は頷いた。零れそうになる涙を必死に堪える。
「あたしのパソコンもないしなぁ……」
要は窓際のテーブルを一目して、視線を落とした。
「ちょいと、ごめんなさいよ」
腰を曲げて屈み込む。そのまま歩き回るので、皆は要を避けて動いた。ドア付近で止まると、床に顔を近づけた。
「へこんだ跡がある」
低声で呟いて、身体を起こす。それと同時に朝日が海から登り、日の光を注いだ。要は明るくなった窓の外を一瞥し、一行を見据えた。
「道の捜索はちょっと後回しにして頂いて、あかねと秋葉の捜索にご協力頂けますか?」