怪事件捜査クラブ~十六人谷の伝説~
「交差点に、嫌な霊がいたの。怨念の深いような、闇の底みたいな。わたし、近づきたくなくて避けて通ったら、漂ってた霊達も避けて通ってた。でも、明らかに避けてる霊もいれば、見えないみたいに通り過ぎた霊もいたから、未練による波長の差があるんじゃないかな? ってわたしは思ってるんだ。後ろ暗い未練がある者同士は見えるけど、家族を心配してこの世に残ってるような温かな霊はそういう者が見えなくて、逆もまたしかり……みたいな。まあ、わたしが勝手に思ってるだけなんだけど」
微苦笑した由希に、要は笑いかけた。
「そんなことないよ。由希には視てきた実績がある。その由希がそう思うなら、それが正しいんだよ」
「ありがとう。要ちゃん」
ほんわかした空気が流れた。にこりと互いに微笑み合うと、由希が切り出した。
「スマホ、見つけに行く?」
「由希はもうちょっと休んでても良いんだよ?」
「ううん。スマホが見つかれば警察も救助隊も呼べて、あかねちゃん達捜索してもらえるもん。わたしも協力したい」
「うん。じゃあ、そうしよう!」
要は勢い良く立ち上がった。由希と二人、意気込んで捜索を開始したが、スマートフォンは一台も見つからなかった。
「全部探したのに、なんでないのー!?」
要は叫んで、ソファに倒れ込んだ。
行方不明の三台は、どこに行ったのか? 一台は猪口が持って出たとして、おそらくは大島の物と、不明な一台……。
「もしかして、あたしの推理外れた?」
落ち込んだ要に、由希は遠慮がちに提案した。
「要ちゃん。スマホはいったん諦めて、そろそろ、秋葉ちゃん達の捜索に外に出ない? わたし達の担当もあるし」
言われて要は腕時計を見た。捜索開始してから、いつの間にか四時間が経っている。
「そうだね。行こう」
二人は三叉路へ向った。
その道中に、小屋があった。煙突がついていて、ドアは簡易的なトタンで出来たドアだった。鍵もかんぬきだ。
「ここ、焼却炉かな?」
「多分そうじゃない?」
そう返して、由希は要を咎める眼で見る。
「要ちゃん。入ってみたいって思ったでしょ?」
「うっ、何故分かった!」
「だって、目きらきらしてたもん。ダメだよ。わたし達が探すところにあかねちゃん達がいるかも知れないでしょ。早く――」
言いかけて、由希は驚いたようにじっと焼却炉を見据える。
微苦笑した由希に、要は笑いかけた。
「そんなことないよ。由希には視てきた実績がある。その由希がそう思うなら、それが正しいんだよ」
「ありがとう。要ちゃん」
ほんわかした空気が流れた。にこりと互いに微笑み合うと、由希が切り出した。
「スマホ、見つけに行く?」
「由希はもうちょっと休んでても良いんだよ?」
「ううん。スマホが見つかれば警察も救助隊も呼べて、あかねちゃん達捜索してもらえるもん。わたしも協力したい」
「うん。じゃあ、そうしよう!」
要は勢い良く立ち上がった。由希と二人、意気込んで捜索を開始したが、スマートフォンは一台も見つからなかった。
「全部探したのに、なんでないのー!?」
要は叫んで、ソファに倒れ込んだ。
行方不明の三台は、どこに行ったのか? 一台は猪口が持って出たとして、おそらくは大島の物と、不明な一台……。
「もしかして、あたしの推理外れた?」
落ち込んだ要に、由希は遠慮がちに提案した。
「要ちゃん。スマホはいったん諦めて、そろそろ、秋葉ちゃん達の捜索に外に出ない? わたし達の担当もあるし」
言われて要は腕時計を見た。捜索開始してから、いつの間にか四時間が経っている。
「そうだね。行こう」
二人は三叉路へ向った。
その道中に、小屋があった。煙突がついていて、ドアは簡易的なトタンで出来たドアだった。鍵もかんぬきだ。
「ここ、焼却炉かな?」
「多分そうじゃない?」
そう返して、由希は要を咎める眼で見る。
「要ちゃん。入ってみたいって思ったでしょ?」
「うっ、何故分かった!」
「だって、目きらきらしてたもん。ダメだよ。わたし達が探すところにあかねちゃん達がいるかも知れないでしょ。早く――」
言いかけて、由希は驚いたようにじっと焼却炉を見据える。