乙女ゲームの断罪エンド悪役令嬢に転生しました ~超弩級キャラのイケメンシークがお買い上げっ?!~
4.落札相手は、身の毛もよだつ最低のクズ野郎って……
没落貴族の令嬢を何人も囲っているとか、嫁いだ女性はみな正気を失ってしまうとか。
恐ろしい噂しかないアウゼン公爵家の当主が、ローゼマリアを一億ルーギルで買おうとしている――?
背筋から、冷たいなにかが、せり上がってくる。
「おやおや、アウゼン公爵の正体を知っておりましたか。女は欲望のはけ口、もしくは繁殖の苗床くらいにしか考えてない最低のクズ野郎ですよ」
真っ青な顔で震えるローゼマリアの横で、アンノウンが楽しそうに話を続ける。
「なんでもお嬢さんを落札したら、鉄で作った巨大な鳥かごに収容して、死ぬまでそこで飼うつもりだとおっしゃられております。毎日種づけを頑張るとね。壊されないよう、せいぜい媚びへつらってくださいよ」
(もしかして、もしかしてだけど……なにをどうしても、わたくしは運命から逃れられないの……? 死ぬまで鉄格子の中で犯され続けるの……?)
恐ろしいことにアリスにはヒロイン補正が働き、なにをしても許される。
反してローゼマリアには悪役令嬢補正が働き、どう抗おうにも凌辱腹ボテ闇堕ちエンドになると――
運命を変えられないというのなら、昨夜のうちに自決しておけばよかった。
小さな希望にすがったのが悪かった。
しかし思い出すのは、ダークブラウンの目をした美形の偉丈夫。
(ジャファルさまの強い眼差し……頼りがいのある声……裏切られたと思いたくないわ……)
だが、もう彼の言葉の真偽を確認する術も時間もない。
アンノウンがローゼマリアの腕を掴み、無理やり立ち上がらせて、アウゼン公爵のほうへと連れていこうとする。
アウゼン公爵も満更ではないという顔で、わざわざ舞台の上まで上がってきた。
盛大な拍手の中、アウゼンが薄気味悪い笑顔を浮かべ、ぶくぶくにむくんだ手を差し出してくる。
「おおっ! ようやく『黄金の気高き薔薇』がわしのものに! ローゼマリア嬢よ。恋い焦がれておりましたぞ!」
興奮しているのか、鼻の穴を大きく広げ、唾を飛ばしまくっている。
「っ……!」
アウゼンが震えるローゼマリアを目にして、残虐そうな笑みを浮かべていた。
「ふぉふぉふぉ……怯える顔もそそるのう。わしは苦痛に歪む女の顔が大好きでねえ。毎日か可愛がってあげよう」
(ゲ、ゲスい……! ゲスいわっ! 指一本ですら触れられたくない……!)
伸びてきた肉づきのいい手が、ローゼマリアの細い手首を掴もうとした。
ゾワッと虫が這い上がってきたような感触がしたので、反射的に振り払う。
「わたくしに触らないで!」
恐ろしい噂しかないアウゼン公爵家の当主が、ローゼマリアを一億ルーギルで買おうとしている――?
背筋から、冷たいなにかが、せり上がってくる。
「おやおや、アウゼン公爵の正体を知っておりましたか。女は欲望のはけ口、もしくは繁殖の苗床くらいにしか考えてない最低のクズ野郎ですよ」
真っ青な顔で震えるローゼマリアの横で、アンノウンが楽しそうに話を続ける。
「なんでもお嬢さんを落札したら、鉄で作った巨大な鳥かごに収容して、死ぬまでそこで飼うつもりだとおっしゃられております。毎日種づけを頑張るとね。壊されないよう、せいぜい媚びへつらってくださいよ」
(もしかして、もしかしてだけど……なにをどうしても、わたくしは運命から逃れられないの……? 死ぬまで鉄格子の中で犯され続けるの……?)
恐ろしいことにアリスにはヒロイン補正が働き、なにをしても許される。
反してローゼマリアには悪役令嬢補正が働き、どう抗おうにも凌辱腹ボテ闇堕ちエンドになると――
運命を変えられないというのなら、昨夜のうちに自決しておけばよかった。
小さな希望にすがったのが悪かった。
しかし思い出すのは、ダークブラウンの目をした美形の偉丈夫。
(ジャファルさまの強い眼差し……頼りがいのある声……裏切られたと思いたくないわ……)
だが、もう彼の言葉の真偽を確認する術も時間もない。
アンノウンがローゼマリアの腕を掴み、無理やり立ち上がらせて、アウゼン公爵のほうへと連れていこうとする。
アウゼン公爵も満更ではないという顔で、わざわざ舞台の上まで上がってきた。
盛大な拍手の中、アウゼンが薄気味悪い笑顔を浮かべ、ぶくぶくにむくんだ手を差し出してくる。
「おおっ! ようやく『黄金の気高き薔薇』がわしのものに! ローゼマリア嬢よ。恋い焦がれておりましたぞ!」
興奮しているのか、鼻の穴を大きく広げ、唾を飛ばしまくっている。
「っ……!」
アウゼンが震えるローゼマリアを目にして、残虐そうな笑みを浮かべていた。
「ふぉふぉふぉ……怯える顔もそそるのう。わしは苦痛に歪む女の顔が大好きでねえ。毎日か可愛がってあげよう」
(ゲ、ゲスい……! ゲスいわっ! 指一本ですら触れられたくない……!)
伸びてきた肉づきのいい手が、ローゼマリアの細い手首を掴もうとした。
ゾワッと虫が這い上がってきたような感触がしたので、反射的に振り払う。
「わたくしに触らないで!」