乙女ゲームの断罪エンド悪役令嬢に転生しました ~超弩級キャラのイケメンシークがお買い上げっ?!~
第二章 まさかの鬱必至な闇堕ちエンドコースですかっ?!
1.なぜわたしが、乙女ゲームの悪役令嬢なのでしょう?
うつらうつらとした意識の中。
「うっ……んん……」
ローゼマリアは、遠い昔の夢を見ていた。そう、この世界に転生する前の夢を――
(ああ……思い出すわ……少しずつだけど……)
前世のローゼマリアだった人物の生活が、次々と脳内に浮かんでくる。
日本という国に暮らす、どこにでもいる普通のOL。カレシもいないし、友人だって多いほうじゃない。
唯一の楽しみといえば、乙女ゲームで遊ぶこと。
(帰宅したらすぐにデイリーミッションをこなして、イベントを周回して……キャラのイケボを楽しんで、ネットでキャラ攻略を調べて……そんな毎日を送っていたのよ。乙女ゲーなら全年齢でも18禁でも、なんでもござれ……な喪女だったはず……)
「救国の聖乙女と10人のフォーチュンナイト」は、一番やりこんだゲームだ。
平民のヒロインが、ある日突然聖乙女として持ち上げられ、10人の個性豊かなイケメンたちと学園生活を送りつつ、最終的にはミストリア王国を救うという乙女ゲーム王道ストーリー。
そんな彼女に、さまざまな障害が登場する。
その筆頭が、公爵令嬢のローゼマリア。
ローゼマリアは悪徳の限りを尽くし、ヒロインをイジメてイジメて、イジメぬく悪役令嬢である。
「救国の聖乙女と十人のフォーチュンナイト」というゲームが、最もカタルシスを感じるシーン。それはローゼマリアの断罪イベントだ。
『ミットフォード公爵令嬢ローゼマリアよ! そなたとの婚約をこの場で破棄する!』
ユージンがそう叫ぶシーンが大好きだった。
(ローゼマリアの断罪シーンなら、スチル絵のすみずみまで覚えているわ。胸がスカッとしたもの。あともうちょっとで、最後の攻略キャラのトゥルーエンドを迎えることができたのに……くやしい……)
攻略キャラ全員のトゥルーエンドをクリアした乙女だけが入手できる、課金の特別攻略キャラが存在するという。
それを楽しみにしていたのに、まさか事故に巻き込まれ、乙女ゲームの世界に入り込んでしまうとは思わなかった。
しかし――
(冗談じゃないわ! なぜわたしが、乙女ゲームの悪役令嬢に転生するのよ?!)
§§§
ビクビクと身体を震わせ、パチリと目が覚めた。
はぁはぁと息が上がり、妙な夢にうなされていたのだと気づく。
「嫌な夢だったわ……わたくしが断罪される悪役令嬢だなんて……」
「うっ……んん……」
ローゼマリアは、遠い昔の夢を見ていた。そう、この世界に転生する前の夢を――
(ああ……思い出すわ……少しずつだけど……)
前世のローゼマリアだった人物の生活が、次々と脳内に浮かんでくる。
日本という国に暮らす、どこにでもいる普通のOL。カレシもいないし、友人だって多いほうじゃない。
唯一の楽しみといえば、乙女ゲームで遊ぶこと。
(帰宅したらすぐにデイリーミッションをこなして、イベントを周回して……キャラのイケボを楽しんで、ネットでキャラ攻略を調べて……そんな毎日を送っていたのよ。乙女ゲーなら全年齢でも18禁でも、なんでもござれ……な喪女だったはず……)
「救国の聖乙女と10人のフォーチュンナイト」は、一番やりこんだゲームだ。
平民のヒロインが、ある日突然聖乙女として持ち上げられ、10人の個性豊かなイケメンたちと学園生活を送りつつ、最終的にはミストリア王国を救うという乙女ゲーム王道ストーリー。
そんな彼女に、さまざまな障害が登場する。
その筆頭が、公爵令嬢のローゼマリア。
ローゼマリアは悪徳の限りを尽くし、ヒロインをイジメてイジメて、イジメぬく悪役令嬢である。
「救国の聖乙女と十人のフォーチュンナイト」というゲームが、最もカタルシスを感じるシーン。それはローゼマリアの断罪イベントだ。
『ミットフォード公爵令嬢ローゼマリアよ! そなたとの婚約をこの場で破棄する!』
ユージンがそう叫ぶシーンが大好きだった。
(ローゼマリアの断罪シーンなら、スチル絵のすみずみまで覚えているわ。胸がスカッとしたもの。あともうちょっとで、最後の攻略キャラのトゥルーエンドを迎えることができたのに……くやしい……)
攻略キャラ全員のトゥルーエンドをクリアした乙女だけが入手できる、課金の特別攻略キャラが存在するという。
それを楽しみにしていたのに、まさか事故に巻き込まれ、乙女ゲームの世界に入り込んでしまうとは思わなかった。
しかし――
(冗談じゃないわ! なぜわたしが、乙女ゲームの悪役令嬢に転生するのよ?!)
§§§
ビクビクと身体を震わせ、パチリと目が覚めた。
はぁはぁと息が上がり、妙な夢にうなされていたのだと気づく。
「嫌な夢だったわ……わたくしが断罪される悪役令嬢だなんて……」