星空ラブソング
お金を払おうとすると三原君が私の手を止めた。
「ここは、俺に払わせてください」
「え、でも・・・」
「ほんの気持ちですから」
三原君は、目を三日月型にして笑った。
私は「ありがとう」と言って頭を下げて、店員からかき氷を受け取った。
「んーー。美味しい!」
シロップがたっぷりとかかっていて、美味しさに思わずはしゃいでしまう。
「良かった。そんなに喜んでもらえるとは、嬉しいです」
「今回は、あれ言わないんだね」
「あれ?」
首をかしげる三原君に向けて、ちょっと弄るような気持ちで声を低めて口にしてみた。
「“かき氷も喜んでます”」
「ああ!それですか。沢田さん、それ好きですよね」
「そう、なんか気にいっちゃった」
急に可笑しくなってきてつい声に出して笑ってしまった。
「沢田さん、笑いすぎですよ」
そう言いながら、三原君も横で笑いが止まらない様子だ。
「ヤバい、笑いすぎたらかき氷が溶けてきちゃった」
「俺のもです」
私たちは慌ててすくって食べ始めた。