星空ラブソング


打ち上げ会場は、大学から徒歩5分程の場所だった。

特別講義で知り合った数人と一緒に会場に移動した。

外には“本日貸し切り”と張り紙がしてある。

お店は、高いオフィスビルの1階にあり、ガラス張りの広い窓だから外からでも中の様子がよく見えようになっていた。

学生は既にちらほらと到着していて、入り口に設置された受付の列に並んでいる。私たちも最後尾についた。

竹田さんは、店内の窓近くで職員同士で談笑しているようだった。

3週間ぶりに目に映る姿が、眩しくてどうしようもなく惹きつけられた。

自動ドアが開いて私たちが中に入ると、音に気づいたのか竹田さんの視線がこちらに向けられたのがわかった。

重なった視線にドキッとしながら私は小さく会釈した。


受付でランダムに配布される座席カードを受け取って席を確認しながら奥に進むと、竹田さんが迎えてくれるような微笑を浮かべていて、少し離れた位置から口を開いた。

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