星空ラブソング
テーブルは学生と職員は分けられていて、竹田さんは店の端の方の席で食事をしていた。
私は、同じテーブルの学生同士で話しながらも竹田さんのところに行きたくて仕方なかった。
オーダーはカウンターにしにいく形式で、飲み物を頼んで席に戻る途中、私の願いが届いたみたいに竹田さんが目の前から歩いてきた。
私たちは自然と立ち止まった。
「食べてる?」
頭上から、竹田さんの優しい声が届く。
「はい。パスタ美味しかったです。竹田さんは食べてますか?」
「俺は、少しかな。あんま食べないんだよ」
「そうなんですね。小食なんですか?」
「まぁね」
さっき、“俺“って言った。
たったそれだけのことに鼓動が高鳴る。
そして体の距離が、何だかいつもより近くに感じる。