星空ラブソング

指導教授にアンケート調査を終えたことの報告をして今後のスケジュールを再確認する日でもある。

授業と卒論指導の前に、涼花と少し早めのランチに行った。

11時で開店直後のカフェ店内には、私たち以外まだ1組しかいなくて広々としていた。

涼花とは最近は、中々時間が合わなくてゆっくり会えていなかったから、近況を報告し合った。

運ばれてきたサラダに豆苗が入っていて、私は聞かずにはいられなかった。

「豆苗王子は、最近元気?」

「うん、相変わらず元気よ〜。豆苗ばっか食べてるけど」

涼花は派手に笑いながら言った。

「そっか、さすが豆苗王子!このサラダにも入ってるね」

「わ!ホントだ。自慢しちゃおっとー」

涼花がスマホを取り出して、豆苗王子に送る写真を撮り始めた。

その姿を見ているのが苦しくて、罪悪感でつい目を伏せてしまったのは、きっと隠し事をしてしまっているからだろう。

竹田さんへの思いは、涼花の前では終わったことにしている。

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