星空ラブソング
隠し事はよくないと思うけど、色々聞かれたり反対されたりするのは嫌だったんだ。

涼花とのランチのあと、1コマ授業を受けてから、私は卒論指導に向かった。

研究室の入館証を貰いに窓口を目指していると、ちょうどカウンターにいた竹田さんがこちらに気づいたようで片手を上げながら微笑みをくれた。

その仕草にドキッとしながらも私は平静を装っていた。

そして、いつもみたいに入館証を受け取ってから研究室に向かった。


「沢田さん、本当によく頑張ったなぁ。先生の授業でもとってあげようかと思ってたけど、その必要も無くなったな」

年齢不詳でダンディな雰囲気を醸し出す北島(ほくとう)先生は、電子タバコをふかしながら笑顔で言った。

回収したアンケートを見せて、いよいよ集計をしていくことになった。

入館証を返却しに行った際、竹田さんに報告をした。


「Excelいつやる?」


近くに他の職員がいたからか、囁くような声で聞かれて体が熱を帯びる。

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