星空ラブソング
「自分でもどうしてここまで好きなんだろう?って思っちゃうんですけど、好きなんですよね」

「そういうものがあるって大切だよ。この先も大事にしてね」


竹田さんは、まるでメッセージをくれるみたいに私の方を向いて視線を合わせて言った。

今なら聞けそうな気がして私はずっと気になっていたことを聞いてみた。


「竹田さんは、好きなこととかありますか?」

「・・・うん。あるよ」

「どんなことですか?」

「ギターと星空と旅かな。あと読書も良くする」

「なるほど!すごい色々ありますね」

どれも聞いてみたい話題ばかりだ。

特に耳に残った“星空”という言葉に反応せずにはいられなかった。


「星空を見ることが事が好きなんですか?」

「うん。星空というか宇宙全般かな。特に星には興味があって、星空案内人っていう資格の取得も目指してたな。今は、時間が取りづらくなったのもあってやめちゃってるけど」

「星空案内人っていうのがあるんですね。初めて聞きました」

「星について解説できるくらい詳しくなれる資格で、2段階で資格を取得する必要があるんだけど、1段階目まで取って止まってる」

「また時間が出来たら取得を目指されるんですか?」

「うん。やりたいな」

「私、いつか竹田さんが案内してくれる星空を眺めたいです」

「そう?」

「はい!」

力を込めて頷いたら竹田さんは小さく笑って言った。

「じゃあ、頑張ってみようかな」

その声に胸がいっぱいになって、でもその気持ちは上手く言葉にならなくて私は頷きと笑顔に変えた。そして言った。

「私も空が好きで星空もよく眺めてます。今は、アルバイトで子どもたちを対象にしたワークショップの講師をしていて、その中でオリジナルの星座をつくるプログラムを担当してるんですけど」

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