星空ラブソング


「まぁまぁ、それより、まずは話すきっかけ掴み大事よね。
名前も知りたいしね」


涼花は私をなだめるように言って、メモを貸してと私の手から奪った。


「あたしもほとんど窓口には行ったことないから、その職員の人がわからないのが難点なんだけど、まずはここに書いてる内容片っ端から網羅するのがいいんじゃない?でも奨学金関連は、無理矢理考えるのちょっと面倒そうかな」

涼花の言葉を頷きながら聞いていると、ちょっと間を開けて涼花は続けた。

「あと昨日みたいに、また木曜に自習室に来てくれたらいいよね。
人って、会う回数が多くなるほど自然とその人に親しみを感じてくるって聞いたことあるし。ほら3年の時にとったビジネス心理学の授業で先生が言ってたじゃん」

「ザイオンス効果だったけ」

「そうそう、それ」

ザイオンス効果は、米国の社会心理学者、ロバート・ボレスワフ・ザイアンスが、1968年に提唱した心理学理論だ。


4年になって授業が減ったから、大学には週に3日しか行かなくなった。

その曜日は、火曜と水曜と木曜日。

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