星空ラブソング
そして電気をつけて、先週と同じ扉から一番奥にある最前列の席に座った。


10分経つのをこんなにも長く感じることが新鮮だった。


先週軌道修正した卒論計画書が、教員に適正と判断されて、いよいよ本文に取り掛かっていく。提出期日の11月まではあと6ヶ月足らずだ。

4年間の学生生活の集大成が論文として形になると思ったら、本当に書ききれるのか不安もあるけれど、同時に何だかワクワクした。

職員がきてパソコンを起動させてくれたら、パソコンを使って書き始める。

壁の時計が秒針を刻む音が耳に届いて、
外から足音が聞こえるたびに、胸の鼓動が高鳴るのを感じていた。

論文作成に取り掛かるかかるための準備で資料を鞄から取り出していると、時計の針が11時を告げた。
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