星空ラブソング
そして、午後に再び窓口を訪れた時、カウンターの手前の棚にチラシを並べている職員の姿を見つけて、私は横から声をかけた。
「あのっ」
「どうしました?」
彼は、相変わらずうんと高い位置から私を見下ろして不思議そうな顔をした。
ついに掴んだチャンスに心の中でガッツポーズをした。
「就職サポートの個別相談を予約したいんですが」
「ああ、はい。わかりました。学生証出してください」
チラシを一旦脇に置いて、カウンターの中に回りこんだ職員は、引き出しから予約表をだした。
そして、学生証を受け取るためにこちらに向けて差し出された手の動きが何だか美しくてドキッとした。