星空ラブソング

お昼休みに入る時間帯で1階には人が多く行き交っていて、三原君は出入り口近くでキョロキョロとあたりを見ながら私を探しているようだった。


「三原君、待たせちゃってごめん!」

「ああ、沢田さん、
僕の方こそ無理言っちゃってごめんなさい。」

三原君が、頭の後ろに片手を添えて申し訳なさそうに言うから私は首を横に振った。

「この付箋つけてるページがこの前の授業分のページ」

「なるほど、わかりました。ありがとうございます」

「もう体調は平気?」

「はい、もうすっかり元気です」

「良かった」

三原君の笑顔にホッとして私も頬が緩んだ。

「じゃあ、これ、今そこのコピー機でコピーして返しますね」

「そう?そんなに急がなくても大丈夫だよ」

「いえ、沢田さんの大切なものなので。
ちょっとだけ待っていてもらえますか?」

「うん。全然平気だよ」


三原君は一礼してから駆け足で売店の横に設置されているコピー機に向かった。

少しして戻ってきた三原君は、ノートと一緒に豆パンを渡してくれた。

突然の出来事に目を見開いた私に三原君は目を細めて笑った。

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