星空ラブソング

青空に浮かんだ丸い雲の形をみていると、高校生の頃の特技を思い出した。

当分やっていないから今もできるかどうかわからないけれど、久しぶりにやってみようかな。

私は、ポケットの中に飴が入っていることを思い出してポケットの中を探った。


「涼花さ、みかん味のキャンディ好きだった?」

「好きよ。でも急にどうしたの?」


不思議そうにこちらを見る涼花に、私は「ちょっと見ていて」と告げた。


それから目の前で掌を広げて、両手に何も持っていないことを証明したあとで、左手で右手にかけるようなしぐさをした。


そして次の瞬間、左手にみかん味のキャンディーを登場させて渡した。


「わっ!びっくりした。
え、どうやったの!?ありがとう」


涼花が驚いてくれたから、私は嬉しくて胸の前でガッツポーズをつくった。

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