星空ラブソング

「わかりました。友人にも伝えます!
どうもありがとうございます」


私は勢いあまって、座席から立ち上がって一礼してしまった。

それを見た竹田さんが、くくっと肩をすくめて笑うから、私は半ば信じられない気持ちで、デスクを2つ挟んで少し離れた位置にいる彼を眺めた。


「また、なんかあったら聞いてください」


そう言い残して、ドアの方に体の向きを変えてしまう竹田さんを私は呼び止めた。


「待ってください!」


せっかく2人きりなのに、このままチャンスを逃したくはなかった。


加速していく鼓動と戦いながら、私は彼の方に歩み寄った。


< 53 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop