星空ラブソング
衝撃の事実
人は、目標を1つクリアするとすぐに次のことを求めたくなる生き物かもしれない。
彼女の有無を確認したいとか、もっと話したいとか。
沢山の○○したいが、風船みたいに頭の中で膨らんでいく。
週末に造形教室を開講している間にも、ずっと頭の片で竹田さんを思っていた。
涼花には報告はしているけれど、それでもなんだか、私たちだけの秘密が出来たみたいでドキドキした。
もちろん就活も卒論も同時並行中で、私は今までにないくらいフル活動している。
就活は、等々力さんの会社が運営するサポートサイトに登録してスマホで情報を調べているところ。
翌週の火曜日、研究室の入館証を貰うために窓口にいくと、カウンターに竹田さんが立っていた。
書き物をしていた手を止めて顔をあげたけど、そこにこの前みたいな笑顔はなくて、クールな竹田さんだった。
あの手品をした日の出来事が、夢だったんじゃないかと錯覚してしまいそうになるくらい、その表情からは感情が読み取れなくて戸惑った。